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2008年8月

NPO法人

 会社ではないのですが、最近良く耳にし、その数もかなり増えてきた法人であるNPO法人について話します。NPO法人とは、特定非営利活動法人のことです。 特定非営利活動を行う団体に法人格を付与すること等により、ボランティア活動等の市民が行う自由な社会貢献活動の健全な発展と公益増進への寄与を目的とする「特定非営利活動促進法」に基づき制定された法人です。
 特定非営利活動という、公益法人(財団法人、社団法人)と営利法人の対象領域のいわば隙間にある活動に対して法人格を付与して、その活動を促進助長しよう、との考えで制定された法人です。

 政治目的、宗教目的等でない、特定の分野に類型化された非営利活動に対して、厳格な要件の下に認められる法人です。その要件の主なものとして上記以外に、暴力団等の統制下の団体でないこと、10人以上の社員を有すること、報酬を受ける役員は役員総数
の3分の1以下であること、理事3人以上・監事1人以上がいること等が挙げられています。

 設立までの手続等についてですが、まず法人を設立しようとする者が設立趣意書、設立者名簿、定款(案)等を作成し、設立総会を開き、設立の意思決定等の議決をします(これを議事録にしておきます)。
 そして、設立認証申請書類を作成し、所轄庁(各都道府県。但し、事務所が都道府県2つ以上にまたがるときは、内閣府)に提出します。
 書類受理後に、縦覧、公告と並行して審査が進められ、認証が決定すれば、認証書の通知があります。
 この認証書を受けてから、管轄法務局に法人設立登記をすることによりNPO法人が成立します。
 設立登記の登記事項は、①名称②主たる事務所③目的等④役員に関する事項として、理事の住所及び氏名⑤従たる事務所があれば、従たる事務所⑥資産の総額⑦定款に存立時期・解散事由の定めがあれば、その定め(但し、法定の解散事由は登記不要)⑧登記記録に関する事項として「設立」の旨、です。 法人成立後に、所轄官庁への届出があるほか、会社などと同様に税務、保険関係の届出が各管轄官庁にやはり当然ながら必要です。また、毎年所轄庁に事業報告書等の提出も義務付けられています。
 NPO法人は最近多数存在しますが、活動の実績がほとんどなく、事業報告書等を提出せず、設立認証の取消を受ける法人も少なからずあります。
 でも、それは一部のことだし、自由な社会貢献活動,公益活動を促進しようという社会的ニーズはますます高まっています。

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持株割合と支配権

会社法の下では、持株割合と支配権は必ずしも一致しません。
 それは、種類株式、単元株の制度というものがあり、株主総会の決議も株式数ではなく、議決権の数を基準に決せられるからです。

 しかし、そうであっても多くの中小企業などにあっては種類株式が発行されていたり、単元株制度を採用していることもあまりないと考えられるので、持株割合はそのまま経営支配権(確保)の問題と直結しています。

 大雑把になりますが、持株割合3分の2、2分の1、3分の1がと支配権との関係で重要なメルクマールになると考えられます。そのへんを簡単に説明します。

 (1)3分の2以上 定款で特別決議についての決議要件を緩和していない場合を前提としますが、その場合の特別決議を要する事項の決議要件は、総株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、その出席株主の3分の2以上です。
 特別決議により、原則的に定款変更、合併、事業譲渡等が可能になりますつまり、会社の根本規則である定款を変更したり、組織再編が可能になりま<す。このことは、会社の基本形態をどうするのか、決定できる権限を有することを意味しています。別の観点からすれば、経営を脅かされない地位にあるということです。
 (2)2分の1超 定款に別段の定めがなければ、普通決議の要件をクリアします。 取締役の選任・解任、自己株式買受の授権、計算書類承認決議などの決定を左右することができることになります。
 このことは、役員等、株式の保有先など会社の経営体制を維持・変更することに関わる決定に関与できることを意味しています。
(3)3分の1超 (1)の反対で、特別決議を阻止する勢力になるという意味で重要です。ないよう、既存会社の体制を維持していくいわば抵抗勢力になりうる点、裏を返せば、現経営陣が重大な変更を余儀なくされることなく、その体制を維持するために必要最小限の持株数ラインになるともいえます。
 なお、経営権との関係では、少数株主権も重要なものです。これらを考慮することは大事なことだと思います。

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監査役非設置会社の株主の権限

 監査役は、取締役の職務執行を監査する機関で、原則的に会計監査権と業務監査権を有します。
 但し、監査役会設置会社及び会計監査人設置会社を除く非公開会社で定款で監査役の権限を会計監査に限ることができるとされています。

  それでは、監査役を置かない会社とは、どういう会社でしょうか。
 委員会設置会社は、監査役を置くことができませんが、委員会設置会社以外の取締役会設置会社は、公開会社でない会計参与設置会社を除き、監査役を置かなければなりません。
 委員会設置会社以外の会計監査人設置会社は監査役を置かなければなりません。

 こうしたことから、委員会設置会社は別として、主に取締役会非設置会社や取締役会設置会社で非公開会社である会計参与設置会社などが、監査役非設置会社になるケースが多いようです。
 
 さて、監査役の具体的な権限・義務ですが、(1)監査報告を作成し(2)取締役・会計参与・支配人その他使用人に事業の報告を求め、会社の業務及び財産の状況を調査することができ、その職務を行うため必要があるときは、子会社に対しても事業報告を求め、業務・財産の状況の調査ができます。 又、(3)監査役は取締役の不正行為、そのおそれがあるとき、法令・定款違反事実、不当な事実を認めたときの取締役(取締役会があるときは、取締役会)への報告義務があり(4)取締役会への出席義務(5)取締役が株主総会へ提出する議案・書類等の調査義務・これに法令・定款違反、不当な事実発見時の総会への報告義務があります。さらには、(6)取締役の会社の目的範囲外の行為その他法令・定款違反の行為をし、又はそのおそれがあり、会社に著しい損害が生ずるおそれのあるときは、取締役に行為をやめることを請求することができます(監査役の取締役に対する差止め請求権)。
 このような義務等(主に業務監査権に関する事項)を担う監査役を設置しない会社(監査役非設置会社)では、会社法はどう対処しょうとしているのでしょうか。 

これについては、株主の取締役等に対する監督権限を強化することにより、監査役不在をカバーしようとしていると考えられます。
 すなわち、監査役非設置の場合、(1)株主の取締役会議事録閲覧・謄写請求権では(裁判所の許可は不要になり)営業時間内はいつでも、行使できることになり(2)取締役会設置会社の株主は、取締役の目的範囲外行為等に対して、取締役会の招集を請求できることになり、請求株主が取締役会に出席し意見を述べることもできることになります。
 又、(3)取締役が会社に著しい損害を及ぼす事実を発見したときは(監査役設置であれば監査役にするが)株主に報告しなければなりません。(4)株主による取締役の違法行為差止め請求権(6ヶ月以上引き続き株式を有する株主に認められるが、非公開会社では株主であれば保有期間に関係なく認められる権利)については、(監査役設置であれば、回復することができない損害、に認められますが)著しい損害が生ずるおそれといういう緩和された要件が備われば、認められることになります。
 監査役が設置されない場合は、このような形で株主の監督権限が強化されます。
 

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株式会社の役員の責任

 株式会社の取締役等は、民法の委任の規定が適用されるので、善良な管理者の注意義務(善管注意義務)を負い、忠実にその職務を行う義務を負います。そして、役員等がその任務を懈怠した時は、会社に対して、損害賠償責任を負います。また、役員がその職務を行うについて、悪意または重大な過失があったときは、第三者に対する損害責任も負います。
 この会社に対する責任は総株主の同意がなければ免除されませんが、役員等が職務を行うについて善意でかつ重大な過失がないときは、一定の額を控除して得た額(最低責任限度額)を限度として、株主総会の特別決議によりその責任を(一部)免除することができます(要するに、少なくとも最低責任額の責任を負いますが、責任の一部が免除されます)。

 また、監査役設置会社(取締役2人以上いる場合に限る)と委員会設置会社は、善意無重過失の場合で職務執行状況等諸事情に勘案し特に必要と認めるときに取締役の過半数の同意(取締役会設置会社では、取締役会決議)で責任を上記同様、一部免除することができる旨を定款で定めることができます。

 確かに、取締役等に対しては、法令を遵守した上で、違法・不当な業務執行が行われないように、その重い責任に関する規定や役員相互の監視監督規定が多く設けられていますが、その重い責任ゆえに、ささいな経営判断上のミスからも多額の賠償責任を負わされるのでは、役員のなり手もいなくなるということもあり、従来、違法配当、株主の権利行使に関する違法な利益供与、利益相反取引等が無過失責任だったのを会社法では過失責任化したのと並行して、これら責任免除の規定を整備されています。

 なお、定款で定めれば、社外取締役、会計参与、社外監査役、会計監査人につき、損害賠償の額を限定する契約をすることができますが、対象が社外取締役等に限定されているので、実際に業務に携わる取締役等が株主等に見こまれ取締役等に就任した従業員などの場合でも、この責任限定契約はできないことになります。

 ただ、これらの改正によっても常時業務に携わる者に対しては、予め責任を軽くし、役員に就任しやすくするというような制度は会社の利害関係人の保護も考慮したため、作られなかったようです。

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合同会社

 全員有限責任社員からなる持分会社である「合同会社」について話します。>
 合同会社は持分会社が、従来からある合名会社(無限責任社員だけからなる会社)と合資会社(無限責任社員と有限責任社員からなる会社)に、会社法施行で新設されたものです。

 有限責任社員とは、その出資の価額(既に履行した価額を除く)の<限度で、会社債務の弁済の責任(直接有限責任)を負う社員です。

 合同会社が注目されたのは、主として社員の責任が有限責任であるという点にありす。

 ただ、出資の目的が、有限責任社員の場合、金銭等(現物出資可)に限られ、労務、信用等の無形な財産(代替物)の出資は認められていません。

 そのため、合同会社では会社設立に際しては、定款作成後登記をする時までに出資金等全額(全部)の払い込み又は給付をしなければなりません。

 これは、社員が負うのが有限責任であり、出資は金銭等であることから(将来の)会社債権者保護の要請が働いているためです(この会社債権者保護の要請は社員の新加入、持分の相続による承継、利益配当時などにもあります)。

 設立の際に作成する会社の定款については認証の必要はなく、定款作成→出資の履行→登記という流れで、設立までの手続きが少なく、日数をかけずに設立できるというメリットが合同会社にはあります。

 ただ、①(租税の面で)法人税が課せられる②株式会社の取締役のような免責規定が合同会社の社員にはない③合同会社という形態の会社が一般にまだ広く知られていないため、どういう会社かわかりにくい、という不利な点もあります。
 そうであっても、組織変更することにより株式会社へ変更することは可能です。

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特例有限会社

 従来からの有限会社、つまり特例有限会社を新たに設立することはできません。

 特例有限会社は株式会社に移行することができます。しかし、有限会社から株式会社へ移行すれば、再度、有限会社に戻ることはできません。

 有限会社のメリットとして、①取締役等役員に任期がない②決算公告が不要、ということがあります。
 その他に、有限会社と有限会社類似の機関設計をとった株式会社非公開会社で、取締役会非設置では、異なる点はどこでしょうか。
 今の特例有限会社がどのように登記されているか、そこから見て行きます。職権で登記された事項が少なからずあります。

 会社法が施行され、有限会社の社員(出資者)は株主、持分(社員の地位)は株式とみなされることになりました。
 当然、株券はなかったので、「株券発行の定め」の登記はありません。
 一方、「発行済株式の総数」が登記されました。
 発行済株式の総数は、資本金÷出資1口の金額、として計算されます。

 そして、それと同数の「発行可能株式総数」が登記されました。

 また、「会社の公告方法」は登記事項とされていなかったので、「官報に掲載してする」とみなされ、登記されました。
 さらに、持分の譲渡が制限されていましたので、「株式の譲渡制限に関する定め」が設けられているもの、とみなされ①当会社の株式を譲渡により取得することについては当会社の承認を要する②当会社の株主が当会社の株式を譲渡により取得する場合は当会社が承認したものとみなす、旨登記されました。

 役員については、従来どおり登記されています。
 取締役は住所・氏名、監査役がいれば、監査役の住所・氏名が登記されています。また(取締役が2名以上で)代表取締役が選任されていた場合、代表取締役の氏名が登記されています。
 このように、有限会社は典型的な非公開会社(株式譲渡制限会社)です。
 そして、新株の発行(募集株式の発行)により増資もできますが、現状では、発行可能株式数を増やさないと新株の発行ができません。
 また、社員が株主と呼ばれることになったため、社員総会は株主総会とその名称を変えましたが、決議要件等は社員総会の決議要件はそのままです。
 さらに、役員については、監査役を定款で定めることにより設置できますが、とにかく最低限1名の取締役がいればいいことに変わりありません。そして、会計参与や(大会社の要件を充たしても)会計監査人を設置できません また、株式譲渡制限の規定の変更もできません。
 このことは、端的に言えば、有限会社には機関設計の自由はない(想定されていない)ということです。

 また、資本増加は可能だとしてもそれに見合った組織作りが難しいことから、大資本化することも想定されていないといえます。その点からすれば、株式会社は有限会社に近い機関設計をしている会社でも、その会社の形態の変化に対応して定款を見直し、機関設計を変更して行くことが可能なので、有限会社よりも有利だといえます。ただ、有限会社から株式会社への移行も、それほど難しい手続きによるものではありません。
 従って、今後状況を見て必要になったら、株式会社へ移行する、というスタンスで構わないように思えます。
 

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特別取締役

 会社法では、取締役会設置会社で(委員会設置会社を除く)、取締役が6人以上かつ「社外取締役」が1人以上いる会社については、重要な財産の処分及び譲受け、多額の借財についての取締役会決議はあらかじめ選定した3人以上の取締役(「特別取締役」)のうち、議決に加わることのできる過半数が出席し、その過半数で決議ができる旨を定めることができる、とされています。

 旧法では、このような会社の財産に関わる重要事項の決定につき、重要財産委員会(取締役会とは、別の決議機関)の設置が認められていました。
 ただ、取締役の数10人以上かつ社外取締役1人以上の大会社に認められていたことから(かなり設置要件が限定されていたことから)利用が少なかったため、会社法ではこの制度を要件を緩和し、又、単に取締役会決議の特則として再構成しました。

 ただ、人数を取締役6人以上の会社に減らし、大会社以外にも認めたものだとはいっても、ある程度大規模な会社を想定していることは確かで、そういう会社における重要事項につき迅速決定を可能にしようというものです。

 そして、特別取締役の決議によって決定した事項は、他の取締役にも報告しなければならず、他の取締役も特別取締役によって行われた取締役会の議事録を、普通の取締役会議事録同様、閲覧等ができますので取締役間の監督機能もある程度果たされるものといえます。
 なお、特別取締役の決議の定めを設けたときは、①その議決の定めがある旨②特別取締役の氏名③取締役のうち、社外取締役である者について、社外取締役である旨、を登記しなければなりません。

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会社分割

 会社分割とは、おおざっぱに言えば、1つの会社を2つ以上の会社に分けることをいいます。

 (1)好調な事業部門を独立させる(2)不採算部門を切り離す(3)他の会社と合弁事業を行う会社を作る、等のために会社分割は有効だとされています。具体的にどういうことでしょうか。

 (1)はある好調な事業部門、それ自体にブランド価値があるような場合それを別の商号の会社にして、独立させることです。この場合は、好調な部門を新設分割します。
 ただ、問題はそれによって、分割会社自体が株主や金融機関から低い評価で見られるたりすることです。従って、分割新設会社に対しては親会社になるような株式を保有して評価を下げないようにするか、全事業部門に対する持株会社のような会社にしていくか、検討すべきです。

(2)は将来的には事業の整理として解散させようと思う事業部門を分割会社とする新設分割をすることです。 この場合は、設立する会社に会社の資産、負債等(ほぼ)全部、事業のほとんどを新設会社に移してしまい、分割会社は解散する形にします。
 新設会社には勿論債権債務等も承継されます。ただ、多少問題はありますが、法律的な債務といえないような取引先等の関係などを逃れるために使われることもありえます。

(3)は、事業の承継のためには、事業譲渡という手段も考えられますが、吸収分割を使えば、必要とする事業部門を別の会社が承継し、これにより新規事業を立ち上げたりするのに使えます。 事業譲渡と違い、会社分割では、個々の債権者の承諾なしに債務を承継することができるので手続的には簡単です。
 

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会計参与

 会計参与は会社法で新設されました。
 会計参与は、取締役(委員会設置会社においては、執行役)と共同して、計算書類等(計算書類、附属明細書、臨時計算書類、連結計算書類)を作成し、また会計参与報告を作成します。 任意の機関であり、定款で定めれば、設置できる機関です。

 会計参与が設置されると、会計参与が定めた場所に各事業年度の計算書類等が一定の期間、備え置かれることになります。(委員会設置会社でない)取締役会設置会社は、公開会社(株式譲渡制限のない会社)でも大会社でもなければ、監査役を置かない場合には、会計参与を置かなければなりません。
 つまり、現在の会社の大多数を占める取締役会設置会社で非公開会社である(中小)会社は、監査役か会計参与のどちらかを設置せよ、ということになるのです。
 実際に、会社法施行により、会計参与を定める会社も大分出てきました。

 会計参与は、監査役とは違い会社の計算書類を作成する役割の機関ですが、その資格は、公認会計士、監査法人、税理士、税理士法人に限られています。
 つまり、会計のプロしかなれない機関です。
 従って、その会社の計算についての信頼性を高める意味でも、設置のメリットも十分にあると考えられます。

 従来、税理士、公認会計士が顧問されていた会社では、その方が監査役に就いている会社が多かったのですが、会社法施行後、監査役から会計参与に変わる登記が実際多くなっているようです。

 税理士や公認会計士が監査役でも会社の登記簿上はわかりませんが、会計参与がいれば、税理士等が関わっている会社だということがわかります。税理士等の「法人」が会計参与なら、登記簿上法人名が出ますので一層、明白です。

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監査役

 監査役は取締役の職務執行を(会計参与設置会社においては、会計参与の職務執行をも)監査する、とされます。

 取締役の職務執行の監査とは、会計監査と業務監査です。
 旧法時代は、小会社(監査特例法で、小会社の規定の適用のあった会社=資本金1億円以下で、負債の合計200億円未満の会社)の監査役には業務監査権はないとされていましたが、会社法により一律に、業務監査権も含めた監査権があるものになりました。

 ただし、(旧法でいう)小会社で非公開会社である株式会社は、定款上、監査役の監査範囲を会計監査に限定する旨の規定が設けられているとみなされる、ことになりました(整備法)。

 このことの意味は、(旧法でいう)小会社で公開会社の監査役は会計監査権と業務監査権を持っていることとなり、従前からの監査役は選任時(平成18年5月1日より前)会計
監査権しか持たない監査役として選任された者であるから、再度、監査役を選任し直さなければならない、ということです。

 すなわち、その監査役は会社法施行の際に退任したことになるのです。そして、(監査役設置を廃止しない限り)監査役をあらためて、株主総会で選任することになります。
 これにより、登記としては、監査役の平成18年5月1日付けの退任登記とそれ以降の日付での新たな監査役の就任登記がなされることになります。

 この監査役の就任、退任の登記をされていない会社は結構多いです。
 ただ、この監査役の権限の範囲についても、非公開会社では(監査役会設置会社又は会計監査人設置会社を除いて)、定款で定めれば、それを会計監査に限定することもできます。

 なお、監査役の任期は4年(選任後4年以内に終了する事業年度のうちの最終のものに関する定時株主総会終結の時まで)ですが、非公開会社ではその任期を10年(選任後10年以内に終了する事業年度のうちの最終のものに関する定時株主総会終結の時まで)伸ばすこともできます。
 ただ、取締役と違うのは、定款の規定によって任期を伸ばすことはできても、短くすることはできないということです。

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機関設計2

 会社法施行(平成18年5月1日)以前から存在する株式会社は、取締役会を設置し(取締役会設置会社)、監査役を設置する会社(監査役設置会社)です。

 従って、非公開会社(株式譲渡制限の付いた会社)であれば、取締役会を置かなくてよいので取締役会設置を廃止し、また取締役会がなくなれば監査役を置かなくてもよいので、監査役設置を廃止し監査役を置かない会社にできます(それぞれの廃止の登記が必要です)。

 この場合、取締役会設置を廃止しても、取締役「会」がなくなるだけで取締役は退任しませんが、監査役を廃止した場合は必然的に監査役は退任します(退任登記は必要です)。

 取締役会を廃止すると代表取締役の選任機関がなくなりますので、代表取締役は取締役の互選で定めるものか、株主総会の決議で定めるのか、定款を見直し変更しておかなければなりません

 そして、代表取締役を定款の規定にそって「新たに」選任した場合、その代表取締役の就任の登記も必要ではないのか、が問題となりますが、従来の代表取締役をそのまま選任したときには、登記の必要はありません。
 それなら、あらためて、代表取締役の選任(決議、互選等)すら必要はないのではないのか、という問題もありますがその選任は必要です。

 選任をしないと、すべての取締役に代表権が与えられ(代表権付与の登記をする必要が出てきます)、すべての取締役が代表取締役になってしまうからです。

 一方、取締役が1名の会社にする場合には、一般に(任期切れの場合は別として)株主総会での取締役会廃止決議の前後に、その1名以外の取締役全員に辞任してもらいます(取締役の辞任登記が必要です)。

 それにより、残った1名の取締役は、代表取締役の選任決議等を経ずに当然に代表取締役になります。

 ただ、このように、取締役1名の会社にする場合でも、その前提として定款については、「取締役の人数は1名以上」、「取締役が2名以上いるときは、取締役の互選により代表取締役を定める」等の記載に変えておき、取締役の将来の増員に配慮した定款変更をし
ておくのが望ましいと思います。

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機関設計

 機関設計の変更は、役員体制(会計監査人も含めて)をどう変えていくか、という問題です。
 その基軸となるのが、株式譲渡制限の定めを設けている会社、すなわち「非公開会社」か「公開会社」か、とういうことです。

 株式会社についての機関は、最低限、株主総会と取締役(1名以上)だけでよいのです。(取締役1名の場合は、そのまま取締役が代表取締役になります。)

 従来必須の機関であった取締役会、監査役は必ずしも置かなくてよいのです。

 ただ、公開会社等は取締役会を置かなければならず(取締役会設置会社)、取締役会設置会社は(委員会設置会社を除き)監査役を置かなければならないのです。 (そして、取締役会設置会社の取締役は従来と同じく、3名以上とされています。)

 そして、取締役の任期は原則2年(選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで)ですが、非公開会社では(委員会等設置会社を除く。取締役会設置のいかんに関わらず)、これを定款で定める(定款変更する)ことに
より、10年(選任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで)に伸ばすことができます。

 従って、株主の頻繁な変動や気の知れない者の参加を嫌い、株式の譲渡に制限を設けているような会社である、非公開会社は①取締役会を設けない②取締役の人数を最低の1名にまで減らす③取締役の任期を2年以上10年以下にするという選択肢が与えらたわけで、定款の見直しによりこれら機関の変更(役員体制の変更)や任期の伸長ができるのです。

 このうち、①機関の変更は登記事項ですが、②任期の伸長は定款変更の株主総会決議をすることだけでよく、非登記事項です。

 会社法施行当初、一般に誤解が多かったのは、取締役(兼代表取締役)が1名だけの会社に変更した場合に、これら機関の変更を、単なる役員変更と考えていた方が多かったことです。
 そうでなく、それにプラスして、取締役会の廃止、監査役の廃止の登記が必要とされます(また、株式譲渡制限の規定につき、その承認機関の変更登記も必要です)。

 なお、気をつけるべきことは、取締役設置会社の株主総会は、会社法で定める事項や定款で定めた事項しか決議することができないのですが、取締役会設置が廃止されると、株主総会では会社法に規定する事項及び株式会社の組織、運営、管理その他株式会社に関する一切の事項を決議できることになります。

 その意味は、会社の意思決定のほとんどが、株主(総会)でなされるということ(万能機関)です。

 いろいろなことを詳細に検討して、機関設計の変更も考えられるのがいいと思います

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会社の定款

 会社法施行以来、数々の会社の定款を見させていただきましたが、

新法施行の前にも度重なる商法、商法特例法や有限会社法の改正が

ありましたが、それがあまり会社の定款に反映されていないという実感

を抱いてきました。

 額面株式・無額面株式の制度が廃止されたことや株主総会の決議要

件が株式の数から議決権の数に変わったことなどかなり前の改正事項

でも、そのままになっていることが実際多かったです。

 これは、商法等の改正があった時などにその都度、専門家の司法書

士が登記の依頼や相談の時にでも、気付いていたら、積極的にきちん

と、会社の定款の見直しについて、お話すれば良かったのではないか、

と思います。

 さて、これまでの法改正や会社法施行を受けて、会社を経営する

方に考えていただきたいことは、有限会社から株式会社への商号変

更と組織再編などがメインですが、それを含めた定款の見直しです。

 具体的には、株式会社の場合、従来の1円会社、確認会社有限会社また

は確認株式会社で設立した会社については、最低資本金の制度がなくなっ

たため、資本金の引き上げに言及した解散事由を登記簿上から削除止の

登記をすることです。

 また、会社の目的の審査が弾力化、柔軟化したことで、会社の目的を

変えてもっとわかりやすいものにすることや、(会社の形態を変えなくても)

商号(社名)をカタカナ表記していたものをローマ字表記に変えるなどの

こともできるようになっていますので、単にイメージの問題だけかも知れま

せんが、そういったものの変更をすることも考えられていいところです。

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